スボ手牡丹(写真左)は関西地方で親しまれてきた、稲藁の芯(スボ)の先に火薬をつけて作る線香花火です。今では線香花火といえば紙縒り(長手牡丹・写真右)の方が馴染みがある方が多いかもしれませんが、実はスボ手牡丹が線香花火の原型です。現在では国内製造は弊社のみとなってしまった為、ほとんど見ることのできない貴重なものとなっています。約400年形を変えずに残っています。
火薬の原料は長手牡丹と同じ「松煙・硝石・硫黄」ですが、製造工程が大きく異なります。ドロドロとした練り火薬にする為、膠(にかわ)を混ぜ合わせます。専用の固定器具にセットされた稲藁の芯(スボ)を火薬に浸し、丸1日外で乾燥して完成です。
製造の最盛期は冬。
ほとんどの玩具花火の製造は夏に向けて加速していきますが、スボ手牡丹の製造は春までに終えなければなりません。気温が高くなると火薬部分が固まらずに流れてしまう為、寒くて乾燥した時期に製造します。400年の歴史を途絶えさせないように努力しています。